2023年末の在留外国人数と多文化社会
2023年末の在留外国人数は、341万992人(前年末比33万5,779人、10.9%増)と過去最高を更新しました。この数字は、日本が急速に多文化社会へ移行していることを示しています。しかし、この状況下で、言語、宗教、文化、習慣の違いを背景に、外国人に対する人権問題が多発している現状があります。その一例が「レイシャルハラスメント(レイハラ)」です。
レイシャルハラスメントとは?
レイシャルハラスメントとは、人種や民族を理由とした差別的な言動や嫌がらせを指します。例えば以下のような発言が該当します。
「外国人なのに日本語ペラペラでお上手ですね。」
これは一見褒め言葉のように思えますが、受け手には「外国人=日本語が話せない」という偏見を含む発言として受け取られることがあります。外国人の友人がこの言葉に嫌悪感を抱いたという例は、多くの日本人が無意識に行うレイハラの典型例です。
レイシャルハラスメントの3つの定義
- 暴言や侮辱、嫌がらせ
特定の人種、民族、国籍(外国人やハーフ)を理由に行われる行為。 - 業務上の不平等
合理性なく日本人と外国人を区別し、業務や評価を差別する行為。 - 立場に関係なく発生する問題
上司から部下だけでなく、部下から上司、同僚間でも起こり得ます。
レイハラに該当する具体例
- ◎「日本語わかるの?」「ちゃんとやりとりできる?」と外見や国籍で決めつける。
- ◎本名に対して「覚えにくい」「変な名前」と発言する。
- ◎「国に帰れ」という差別的な発言をする。
- ◎「ガイジン」という差別的な表現を使う。
- ◎固定観念に基づいた発言
- 例:「中国人はお金に汚いよね」「インド人は毎日カレー?」「韓国人なら辛いもの好きでしょ」。
レイシャルハラスメントを防ぐためには、偏見や先入観を捨て、相手を個人として尊重する意識が不可欠です。
「悪気がなかった」では済まされない問題ですので、日常の言動に注意し、異文化理解を深める努力をしましょう。
日本における多文化共生が進む中、レイシャルハラスメントは看過できない問題となっています。
一人ひとりが自分の言動を見直し、外国人の方々が安心して生活できる環境づくりを目指すことが、私たちに求められています。
あなたの言葉は、相手をどう感じさせるでしょうか? 今一度、考えてみてください。
職場のハラスメント相談窓口 多国語 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
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